キングコング西野が、窃盗事件のあとに考えたこと
最終回 キングコング西野亮廣の「モノの売り方・ヒトの売り方」
アンチは怖くない、利用すればいい
――売るための戦略は、どのようなところから着想を得ているんですか?
飲みの席かもしれないですね。僕は、一度すべてのことを疑うんです。出版不況、CDが売れない、それって本当かな?って。飲みの席でずっとその議論をするんですよ。そこには起業家、投資家、映画監督、いろんな人がいることは大きいかもしれません。
うまくいっている業界とそうじゃない業界の人が集まって、よくよく議論したら、うまくいってない業界の人はただサボってるだけじゃない?みたいなことが結構あります。自分に対しても思うし、よその業界を見ることで考えさせられる部分は大きいです。
そこでも話したんですが、『えんとつ町のプペル』で100万部を目指そうとしたら、これまでの売り方の延長には答えはない。何かを発明しないと、絶対に届かない。いまはそこを探しています。僕は「100万部」とか「ウォルト・ディズニーを倒す」とか、アホみたいな数字、アホみたいな目標が好きなんです(笑)。アホみたいなやつは鼻につくし、その分、取り上げられやすい。
――取り上げられることで文句を言われることもあると思いますが、そこはもう踏ん切りがついているんですか?
自分の行動は全て説明できるので、誰に何を言われようが何とも思わないです。それに、多くの場合、批判は宣伝に使えるので、アンチコメントを消すなどという批判の無駄遣いはしません。
今回、『えんとつ町のプペル』を分業制で作ったのですが、ある時、「西野の絵本は、実はゴーストライターがいる!」という声が上がったんですね。「実は西野一人で描いてないらしい!」と(笑)。そして、僕が全部自分で描いてないんだから、エンドクレジットでスタッフの名前を入れるべきだ、という批判コメントがありました。実際、エンドクレジットに入ってるのに。
こんなのは喜んでシェアしますよ。
テレビの発言やコメントも、切り取られてマイナスに編集されることがあります。でも絵を編集することはできません。汚い言葉をどれだけ並べても、ビジュアルを前に言葉は無力です。絵本はそこが強いですよね。2ちゃんねるで叩かれているのを見て、本を買いましたっていう人も結構多いんです。
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